ところてん式空調法

毎日の食事の準備をするキッチン。お宅では熱い場所になっていませんか?

夏場はただでさえ暑いのに火を使いたくない!という方も多い季節です。

今回のリノベーションでは、とても暑くなりがちなキッチンが真っ先に涼しくなるように工夫しました。


↑エアコンをキッチンに向けました!(通常ほとんどの場合、窓の上の壁ににエアコンがついています)


↑空気の動きをさまたげる吊戸棚を一掃しました
 

 
↑風が抜けていくルートを確保しました(動画は突然終わってしまいますが、実際には風はロフトを抜けて家じゅうまわっていきます)

この涼しさ感をエアコンの風になったつもりの動画で感じてみてください!(室内干しにもバッチリなのです🎵)

室内干しの極意

マンションの部屋って、どうしたら風通しよくなるのでしょうか?

ほとんどのマンションの部屋には、廊下側とバルコニー側に窓がありますが、この途中に必ずといっていいほどドアが何枚かあって風を通せんぼしてしまっているのです。

本来、マンションの部屋はたいてい風通しのいいロケーションにあります。

着工前には風通しの悪かった部屋でも、工事中全部の間仕切壁を取っ払ってしまうと驚くほど風が通ります。

『ぐるぐる廻れる部屋』では、少しだけ窓を開けるだけでも部屋干しの洗濯物がしっかり乾いたら・・・と思い、風の通りみちをつくりました。

 


↑ある年代以前のマンションには窓の上部に引違いの換気窓がついています
 

↑気密性はいまいちですが、留守中の換気調節など便利な点もあるのでそのまま使用することにしました
 

↑洗濯物のための風の通りみちはこんな感じです
 

オールステンレス? キッチン!

いま、お使いのキッチンどのような素材でつくられていますか?

多くの場合、キッチンは合板やパーティクルボード(※)の木質系+人工大理石やプラスチックなどの合成樹脂系+ステンレスやアルミなどの金属系素材などの様々な素材の組み合せになっていることが多いです。

今回のリノベーションのキッチンは、一部の面材や取手などを除いてほとんどステンレス製です。

鹿児島の”ステンレスの達人”につくってもらいました。

もちろん、デザインはオリジナル。現段階では世界でひとつ💛であると思います。

ステンレスのカウンターは水垢が目立つ面がありますが、ガンガン使ってお手入れしやすい素材です。

表面の仕上げはバイブレーション加工といって、渋い艶消し感です。

 

※ パーティクルボードとは木材の小片を接着剤と混合し熱圧成型した木質ボードの一種


↑アイランドスタイルにコンロも入ったコンパクトなレイアウト


↑足元もオープンなプロ用厨房機器っぽいデザイン(ロボット掃除機も通れます)


↑シンク下ではオープン棚越しに、光と風が通りぬけるのです・・・


↑透け感があって、意外とかさばらないのもいいです


↑扉の中も風通しバッチリになっています

 

機能的で美しく、居心地のいいキッチン。

今回もここに立って、毎日気分よくごはんの準備したい!

と思える場所にしつらえました。

 

 

放射式暖房の実力!

寒くなってきましたね。

シンケンスタイルリノベーションのコンセプトルームでは放射式空調を採用していますが、これがかなり!あったかいです。

こんな感じの形のもの(最初の動画)で、こんな感じの温度分布(次の動画)になっています。

 

↑暖かさは目には見えませんが・・・スイッチオンでしばらくすると↓
 

↑サーモカメラ画像の赤い点と数字は最高温度、青い点と数字は最低温度です(天井・床も暖かくなっています!)
 

この幸せな暖かさを何とかお伝えしたくて “新兵器” サーモカメラを購入してみましたが・・・
できればこの冬、是非モデルームで実際にこの自然な暖かさを体感してみてくださいね。(ご予約はこちらから)
 

風を取り込む

鉄筋コンクリート構造のマンションは、古い物件でも比較的気密性は保たれやすい造りです。
また、マンションはほとんどの場合隣接住戸が接していて窓が少なく、外壁に面している壁が少ないので同年代の一戸建て木造住宅より室内温度を快適に保ちやすいとも言えます。

最近のマンションでは窓を閉めた状態でもスムーズに換気ができるように吸気口が複数設けられていますが、ヴィンテージ物件では写真のような小窓でその役割を果たしていました。ガラス交換の際に全面 真空ガラス にもできたのですが、留守中でも開けておきやすく灰も入りにくいと思ったので、あえて残すことにしました。

この部屋では、バルコニー側にだけ開けられる窓があって、廊下側で開けられるところは玄関ドアだけでした。

 


↑朝、障子を閉じた状態
 


↑障子を開けたところ(両側に引き込むようになっています)
 


↑全部開けたところ(ヴィンテージマンションに見られる“小窓”)
 


↑半分開けたところ(片方だけ引き込めるようになっています)
 


↑全部閉じたところ(中ほどのT字型の白いパーツでガラスを押さえて外から開けられないつくりになっています)
 


↑おもいきって玄関ドアにロール式網戸を取り付けてみました(風通しばっちり!涼しくなりました!)
 


↑網戸を半分開けたところ(網はやっぱり黒です)
 


↑網戸を全部開けたところ(ドアは足元にストッパーを挟んで止めてあります)
 


↑ドアを閉めた状態(郵便受けの下の四角いところは牛乳瓶受け!まさにヴィンテージです)
 


↑網戸を使わないシーズンはロール網部分をはずして別のところにしまっておけます
 

マンションの廊下側には洗面・脱衣室やトイレが計画させていることも多いのですが、換気扇に頼るだけでは換気量が少なくどうしてもカビが発生しがちになります。窓を開けての自然換気は換気量がとても大きいので、換気したいときにガバッと空気の入れ替えができるようにしておくことで部屋の空気をスッキリ保ちやすくなるのです。
 

真空ガラス

マンションの窓枠は共用部分であり、通常個人の工事では交換することができません。

ガラスについては交換することは可能ですが、管理組合ごとに条件の確認が必要です。

今回は窓枠を変えずに断熱性能をアップするため、“真空ガラス”と呼ばれる薄型ペアガラスに交換しました。
 


↑一定間隔に整然と並ぶこの小さな点が0.2mmの真空層を保持するためのスペーサー(右上の丸いのは空気を抜いた穴の保護キャップ)
 


↑保護キャップ(室外側からみたところ)
 


↑室外側が5mmLo-eガラス+0.2mm真空層+室内側は3mmフロート板ガラス
 


↑こちらは網入りのフロストタイプ
 

真空ガラスの特徴は・・・

◆1枚ガラスの約4倍の断熱性能

◆1枚ガラスに比べて約40%、一般的なペアガラスと比べても約20%のエネルギー削減

◆結露の発生をおさえてクリアな視界確保と室内空気を衛生的に

◆ペアガラスなのに薄型なので今のサッシ枠に収まる

◆2枚のガラスの共鳴がなく遮音効果に優れている

 

・・・すぐれものです。

 

 

光を取り込む

マンションの脱衣室やトイレは多くの場合、窓がなく昼間でも暗がりです。

窓が少ないのは、構造上やむを得ない面もある訳ですが、ある程度はプランニングで解消できます。
 


↑脱衣スペースの窓からは夕方西日が差してきます
 


↑引戸を閉めていてもガラス越しに光がまわるようにしてあります
 


↑一日中照明が必要な感じだった玄関もこの時間帯は明るくなりました
 


↑光は廊下を越えてトイレの中まで広がっていきます
 


↑トイレの中も暗がりにはなりません

 

もちろん、夜になって照明をつけても明かりはガラス越しに広がっていくので、この部屋ではあちこち照明をつける必要がありません。

また、シンケンスタイルのリノベーションではドアは極力避けて、引戸を提案しています。

引戸なら開けておいてもかさばらず、光や風をいきわたらせることができるからです。

 

クリーンな除湿と冷房

装備された放射式冷暖房は

年じゅう快適なすぐれもので、注意していただかないと家から出たくなくなります・・・
 


↑パネルの片側はキッチンとダイニング、もう片側はベッドルームです💛
 


↑じゃんじゃん結露して、どんどん除湿します🎵
 


↑天井のシーリングファンは風量と上下の風向が変えられ、上下の空気の動きをサポート!
 


↑さらにサーキュレーターを組み合せると、いっぱつで部屋中涼しくなります

 

この部屋の工事は暑いさ中でしたが、試運転中は職人さんがだんだんパネル周りに集まってくる現象が発生しました。

不凍液を循環させて空調するしくみなので、スイッチオンからきいてくるまで15分程かかる感じです。

暖房は55℃まで、冷房は7℃まで設定水温を変化させられます。

実際には真夏でも水温を18~20℃にセットすると、ちょうどいい感じに涼しくなります。

 

年じゅう居心地プレミアム

エアコンなしで年じゅう快適に暮らしたい。暑すぎず、寒すぎず、自然な湿度で過ごしたい。
実はマンションでも可能なのです。
 


↑放射冷暖房パネルの傍らの快適エリアで食事をしたり、くつろいだり
 


↑そして、反対側の快適エリアで休むようなレイアウトに
 


↑放射冷暖房パネルはスリット状になっていて適度に光を通し、適度に視線を遮ります

 

放射冷暖房は、室温をそれほど上げたり下げたりしないでも快適さが得られる空調です。

夏は、パネル全体に水蒸気を結露させてしっかり除湿できます。

音も風もなく、清潔な点もとても魅力です。

 

気持ちのいい素材

自然素材の床は、表情にばらつきがあります。これは個性ともいえることで、原産地や樹種など種類によっても違った気持ちよさを持っています。直接触れたときに人にやさしいのもよく知られた特徴です。
 


↑1m×2mの大きな床パネル(12mmの杉材を交互に3枚重ね) つなぎ目が少なくなめらかでフラットな足触りが特徴 植物性のオイル仕上げをすると撥水性がありお掃除も楽です
 


↑バルコニーのデッキ材に使用しているアイアンウッド 硬くて重く少し加工はしにくいですが丈夫で長持ち 独特の色のばらつきも素敵です
 


↑玄関土間に使用している15mmの厚みの杉板 こちらは濃い茶色に着色してあり、木目が際立ってきれいです